岩﨑淳による写真集。『To Find The Right Chair』は、フィジーでのフィールドワークを機に始められたプロジェクトです。当初、記録的に「撮る」という行為を行っていた岩﨑が、自らの写真を読み解く中で「無意識のうちに、回想や記憶が精神的な絵を描くことがある」ということを体験し、この気づきが原点となっています。目の前に現実のシーンがあるとしても、時には比喩的なメッセージが垣間見える ー 私たちに何かを暗示するかのように。実見するものと脳裏に思い浮かぶもの。それらを一つ一つ探究するかのように22点のイメージは集められました。

「2012 年から世界の各都市で撮影したシリーズですが、海外旅行の写真集ではありません。同時に、ランドスケープや生活の写真でもありません。撮っていた時期には、どのような形に纏め上げるということは意識せず、被写体に対するシンパシーを感じ、目の前の空気に自分の感情を投影し、関連付け、あたかも自分の感情を世の中と擦り合わせるような撮影方法を無意識に試みていたのです。….」（アーティストステートメントより)

岩﨑がとらえた朧げで詩的なイメージは、見る者の心情や記憶を想起させ、自己との対話や思索の時間を与えてくれます。9年に渡り居住または訪れた10都市で撮影された作品が紡ぎ出す新たな物語をご堪能ください。

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※販売は国内発送のみとさせていただきます。

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デザイン : 森川聖子
仕様 ： 260x200mm / ハードカバー布貼り / 48p
First Edition : 350部
2021年3月刊行
Cairo Apartment発行
ISBN 978-9911780-0-9

（プロフィール）
岩﨑淳 JUN IWASAKI
京都府出身。同志社大学文学部美学芸術学科を卒業後、2012 年よりフィールドワークのためフィジーへ拠点を移す。その後、オーストラリア、フランス、ニュージーランドなどで暮らし、現在東京都在住。独学で写真を学び、生活者として日々の生活にあるストーリーを紡ぐ。一枚で完成された独立した強い写真ではなく、気配を感じる連続した写真や、想像力を掻き立てるような物憂げな写真を好む。クラシックとコンテンポラリーを独特に組み合わせたアプローチは、ヴィジュアルポエトリーとも呼ばれる。本としてイメージ(写真)を見せる方法を模索している。また、2020 年に出版社/ デザインスタジオ Cairo Apartment をデザイナー森川 聖子と設立し、今後は様々なアーティストと作品を作ることにも力を注いでいく。

【個展 JUN IWASAKI “To Find The Right Chair”は、弊ギャラリーにて開催中です。（5/8 sun まで）】